金融機関や通信業界などのシステム開発を請け負うA社では、受注したプロジェクトに応じて世界各国の支店からもっとも案件に適した技術をもったエンジニアを招へいするようにしています。日本のプロジェクトにはシンガポール、米国、インドの各法人からインド人エンジニアを呼び寄せて業務にあたらせています。
お客様のご要望は、できるだけ早く申請して早く許可を取得すること、申請人の出張などのスケジュールを管理して直接本人や派遣元の人事およびプロジェクト担当者に連絡することでした。日本には人事担当者がいますが、プロジェクトのスケジュール管理は海外の事業本部が行っています。
当事務所では、英語のネイティブ外国人スタッフと、2人の英語堪能な日本人スタッフあわせて3名でチームを組み、メールが入れば、常に日中は4時間以内に返事をするという契約を締結し、遅滞なく実行しました。また適宜、英語での電話会議やスカイプ会議をして、プロジェクトの進行と、入管での許可の見通しの打ち合わせをして、入管での最新の許可見通しと、出張スケジュールの調整をしました。入管には毎日欠かさずに事務所の行政書士が申請に行っており、もっともアップデートな状況を把握していることも、日本への出発の日を決定することに役立ちました。その結果、毎月10件以上の就労ビザを取得し、出張者本人からの質問も随時受け付けて、事業がスムーズに行くことができたと感謝されました。
赴任者の住民登録のお手伝いや、任期終了後の転出届の代行などにも対応し、日本法人の人事ご担当者のお時間を取らせることなく赴任者の入国から出国までをきめ細かくアシストしました。
当事務所ではチームを組んで対応している件数の多いお客様が何社もあります。毎日の入管申請と常時英語対応がそれを可能にしています。同じ日に3名の行政書士が、福岡、広島、大阪、名古屋、東京と五カ所の入国在留管理局で申請をした日もあります。プロジェクトがお急ぎの場合に、海外まで主張して在留資格認定証明書を届け、日本領事館のビザ申請に同行したこともあります。
国内主要都市でのチェーン展開を行うホテルグループのB社では、年々増加する外国人観光客対応を強化するため、英語他の言語でレセプションや接客業務を行うスタッフや海外の旅行代理店への営業職での、外国人採用枠を増やすことを計画しました。
日本の大学やホテル専門学校で学ぶ留学生を数名採用し、在留資格「留学」から就労資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可申請を留学生自身が行いましたが、残念ながら2名の方が不許可となりました。
ホテル人事部の方と申請したご本人が入国管理局へ出向いたものの、はっきりとした理由がわからず、セカンドオピニオンを求めて当事務所へ相談に来られました。
ホテル内での業務は多岐にわたり、就労ビザの対象とはならない単純な作業もあります。申請された書類を点検したところ、職務内容についての説明が不十分で、就労ビザに当たらない現業に従事すると判断されてしまったのが原因と推察しました。コンビニなど小売店でのレジ打ちや商品販売、居酒屋での配膳、ホテルでの単なるレセプションやベル業務、ルームメイクなどの仕事は同在留資格の対象にはならないとされています。
大学での専攻科目、ホテルでの担当業務の詳細などを十分にヒアリングし、語学が必要なことや管理職候補として育成するなどのキャリアパスを詳述した「雇用理由書」を添付し再申請を行い、無事に許可となりました。2名の方は、現在は第一線で活躍し、外国人観光客受入現場で、ホテルの業績と日本経済の発展に貢献しています。
現在は「特定技能」という新しい就労資格が導入されていて、職種によっては、同資格の取得をサポートしております。
オーダーメイドでダンス衣装などを制作するアパレルメーカーE社は、自社の顧客であるフラダンス愛好家への宣伝を兼ねてイベントを企画しました。ハワイからフラダンサーとミュージシャンを招へいし、本格的なショーをためにビザを取ってほしいと依頼を受けました。
チケットは顧客のフラ教室を通して販売し、イベント実行委員会名義で招へいを行うことになっていました。E社とフラ教室および実行委員会の役割を整理して、イベントの収支見込み、出演契約書、会場の使用承諾書・会場図面などの必要資料をそろえた上で申請を行い、在留資格認定証明書の交付を受けることができました。
これまで実績のない会社が入管に申請をする場合、審査に時間を要することがありますので、イベント開催日程から逆算して2カ月前までには申請を終えるのが安全です。また広告宣伝目的でのショーで日本での報酬支払いがない場合には「短期滞在」ビザで活動することも許されます。
X社の役員にスカウトされた外国人ですが、正式な結婚登録をしていないパートナーとヨーロッパのある都市で暮らしており、パートナーの連れ子2名と、家事使用人の方もいっしょに生活しています。 会社の命運を左右するような人物として、この企業からは、高額な年収が約束されています。就労ビザの配偶者は「家族滞在」の資格がとれますが、そのためには、結婚証明書を入管に提出しなければなりません。入管法では、内縁関係の事実婚の相手方を配偶者とは認めていません。そこで当事務所では、当事者の母国ではコモンローマレッジと呼ばれる事実婚が、婚姻登録をしている夫婦と同じくらいの比率であるという論文や雑誌の記事、同居生活が3年以上もあることを示す資料、配偶者と同様に扱われているという保険証や銀行口座の写しなど各種書類を提出し、短期滞在から「特定活動」への変更許可が認められました。子供や家事使用人の方も、複雑な申請手続きを経て最終的に日本でいっしょに再び暮らすことができました。外国人役員は、家族全員でなければ日本に来ないという明快な考えをもっていたため、家族も滞在できることによって、X社の業績に貢献できるようになりました。このようなデリケートなケースでは状況をご理解いただくことが重要ですので、ドイツ語のネイティブスタッフが日本の入国管理局の考え方を懇切丁寧に説明して、ご本人からプライベートな資料を積極的にいただけたのが幸いしました。外国人の方は新しく入社する日本の部下にご自身やご家族についての個人情報をできるだけ伝えたくないというご希望がありましたので、必要最低限の情報だけを会社の方にお伝えするということで、スムーズに手続きができました。
新しい海外の企業の日本進出について弁護士が300人以上在籍する大手渉外弁護士事務所から、ジョイントでの相談の依頼がありました。会社設立、許認可、税務など総合的にその事務所は受注されていましたが、ビザの部分だけ当事務所で扱うということで、企業のアメリカ人とのミーティングに加わりました。
後日、日本派遣チームの中に日本と米国の二重国籍の方がアメリカ人として短期滞在で入国されていることが発覚しました。ご本人に詳しく説明し納得していただくと同時に、企業側にも文書でご案内をしました。最終的には、日本の戸籍があることから、日本人として住民票を作成し、外国人としての上陸許可証印の抹消手続きを入管で行いました。最初から二重国籍として出生した方と、日本国籍として生まれた後でアメリカ国籍を取得した場合とでは、日本政府の二重国籍者の扱いが異なります。
英国のソリシター事務所からの依頼で、日本の入管手続実務家として、離婚した後の「日本人の配偶者等」の在留資格をもつ英国人の再入国や更新についての意見書の作成のご依頼がありました。在留資格取消制度、離婚した事実の入管への届出、区役所での転出届と在留カードの処理など、実務に即したオピニオンレターを作成しました。当事務所では、このケース以外にも、裁判所、弁護士あるいは企業内部で使用するための英語文書を作成しています。 出入国手続、入国管理局での不許可処分の理由の分析とその後の処理など、短期滞在での活動の可否、犯罪などで上陸(入国)拒否される対象の方の入国の見通し、入管実務手続き等について豊富な経験をもとに法令を引用して解説しています。アメリカ弁護士登録者、内外のロースクール卒業者などがその事務を担当しています。